紅茶や緑茶にはインフルエンザ予防が期待できるということが、Yahoo!ニュースにも取り上げられました。
飲料メーカー伊藤園と静岡県立大学薬学部との共同研究によって、カテキンに抗ウイルス作用があることがわかったのです。
紅茶と緑茶それぞれのインフルエンザ予防効果と、予防をする時の注意点について詳しく解説しましょう。
紅茶のインフルエンザ5つの予防効果
紅茶ポリフェノールでウイルス無力化
紅茶ポリフェノールによって、インフルエンザウイルスの感染力を低下させられるといわれています。これによりインフルエンザ予防効果が期待できるのです。
紅茶の茶葉にはカテキンが含まれています。これは醗酵によって変化して、テアフラビン有効成分である紅茶ポリフェノールが生成されます。
紅茶ポリフェノールは醗酵茶である紅茶特有の成分です。いつも飲むくらいの紅茶の濃度(茶葉2gにつき約150~200ml程度)で十分な予防効果が得られるでしょう。
スパイクに付着して感染力を抑える
インフルエンザウイルスの表面部分は、スパイクいう突起のような蛋白質で覆われています。紅茶ポリフェノールがこのスパイクに付着して感染力を低下させます。
インフルエンザに感染する原因として多いのが、喉や鼻といった呼吸器の粘膜、その細胞の表面へスパイクがくっついてウイルスが体内へ侵入してしまうことです。
紅茶ポリフェノールにはインフルエンザウイルスのスパイクに付着して、ウイルスが細胞にくっついてしまう力を弱める効果が期待できます。
歯周病原菌を抑制する効果
歯周病原菌P.gingivalisがインフルエンザウイルスの感染リスクを上げてしまうのだとか。紅茶によって、その歯周病原菌が生まれることを抑制しましょう。
インフルエンザウイルス表面にあるタンパク質が、タンパク質分解酵素によって変化した結果、インフルエンザウイルスの感染力が高まるのだといわれています。
これはP.gingivalisの生成する酵素が、呼吸器官の細胞が持っているタンパク質分解酵素の代わりをしているせい。歯周病原菌P.gingivalisを抑制すればインフルエンザを抑える作用が期待できます。
喉の痛みを抑える抗炎症効果
風邪を引くと喉がイガイガして痛くなってしまうのが厄介。弱った喉のままではインフルエンザウイルスに感染しやすくなるかも。その喉の痛みを紅茶が緩和してくれます。
紅茶には、咽頭粘膜が炎症してしまうことを抑える抗炎症効果が期待できるのです。痛みを和らげることで、インフルエンザウイルスへの感染リスクも低下させましょう。
できればアイスティーではなく、ホットの紅茶を飲むことがおすすめ。リラックス作用も期待できるので、紅茶を飲んで体調が悪くてイライラする気持ちを抑えてください。
紅茶うがいをして感染率を下げる
紅茶を飲むだけではなく、紅茶を使ったうがいにもインフルエンザウイルスを撃退する効果があるのだとか。紅茶うがいをしてインフルエンザ対策をしましょう。
外から帰ってきたら手洗いうがいをすることが風邪対策になるのは、うがいによって付着してしまったウイルスを洗い流す効果が期待できるからなんですね。
紅茶ポリフェノールは、あまり色が出なくなってしまった茶殻にもあと少し残っています。茶殻を捨てる前にしっかりと紅茶うがいをしてインフルエンザから身を守ってください。
緑茶のインフルエンザ5つの予防効果
緑茶のカテキンでウイルスを抑制
紅茶には紅茶ポリフェノール、そして緑茶にはカテキンが含まれています。このカテキンには抗菌や抗ウイルス作用が期待できるのです。
インフルエンザウイルスにはA型・B型がありますが、実験によるとどちらのウイルスにもカテキンによる感染を抑える作用あったというから驚きですよね。
「絶対に、万人に効果がある」ということはありませんが、しかし緑茶を飲むことで、少しでもインフルエンザウイルスへの感染リスク低減が見込めるでしょう。
ストリクチニンで感染を抑える
インフルエンザには恐ろしいことに、季節性のものだけではなく新型インフルエンザも。これを緑茶によって抑える効果があるといわれています。
そのヒントとなるのが、ストリクチニンという抗アレルギー成分。スパイクに付着するエピガロカテキンガレートよりも感染を抑制する力が強いのです。
ウイルスが細胞へ侵入してこないように、ウイルス膜とそして細胞膜が合わさることをストリクチニンががっつり抑えつけてくれます。
テアニンによる免疫力アップ
寝不足が続いたり、食生活が乱れてしまう。あるいはストレスが溜まってイライラする日々が続くことで免疫力も下がり、インフルエンザに感染しやすくなります。
それをテアニンで対策。テアニンとはお茶に含まれるアミノ酸の一種。免疫細胞を活性化してくれるテアニンを摂取することで、下降気味だった免疫力もアップするはずです。
また、テアニンには興奮を抑制、あるいはストレスで上がった脈拍や血圧を抑える効果が期待できるため、イライラしやすい人にはとくにおすすめします。
インフルエンザウイルス増加を防ぐ
緑茶に含まれるカテキンには、インフルエンザウイルスが増える際に必要とされるタンパク質を抑制する効果が期待できることから、インフルエンザの感染も防げるでしょう。
できれば緑茶を飲むときは、紅茶のようにホットの方がおすすめ。実験によって4度と37度を比べた結果、37度という高い温度の方が感染を予防する効果が大きいとわかったためです。
また、インフルエンザが流行しやすい寒い時期に冷たい飲み物を過剰に摂取すると、体が冷えて血行不良になることも。なるべく温かい緑茶を飲むようにしてください。
ご飯を一緒に摂取でカテキン濃度が上昇
インフルエンザウイルスへの感染を防ぐといわれている緑茶ですが、単体で摂取するよりもご飯と一緒に摂ることで、血液中のカテキン濃度が上がりやすくなります。
とある研究結果により緑茶だけを摂取した場合と比べて、“緑茶とご飯を一緒に摂取した方”が、血液中にある総カテキン量がなんと1.6倍も多くなったのです。
緑茶のカテキンはタンパク質などの多糖類と結合しやすいという特徴が。そのことからも、食事の際には飲み物を緑茶に変えるとより効果的なインフルエンザ対策が可能になるでしょう。
予防をする時の注意点
1日あたり2~3杯分以上飲むことがおすすめ
インフルエンザが流行りだす冬の時期は夏と比べるとなかなか自分の水分不足に気づきにくいもの。口内の乾燥はバリア機能低下の恐れもあるため、小まめに水分補給してください。
おちょこ1杯程度を、1時間ごとに摂取がおすすめ。できれば1日あたり紅茶や緑茶を2~3杯(500mlくらい)以上飲むことで、インフルエンザウイルスを抑制する効果を期待できるでしょう。
何回にも分けて飲むといいのは、インフルエンザウイルスは細胞に吸着してから、わずか20分ほどで体の中へ侵入してしまうためです。
ミルクティーは効果が得られない
紅茶でインフルエンザウイルス対策をする場合、紅茶に牛乳や豆乳を入れてしまうと効果が得られないのだとか。なるべくなら、ミルクティーは避けましょう。
これは紅茶に含有されるポリフェノール成分が、牛乳に含まれているタンパク質と結合するから。そうするとウイルスの感染力を低減させる力が弱くなってしまうのです。
紅茶に入れると良いのはレモン汁やショウガ。とくにショウガは体を温める効果が期待できるため、抵抗力もつくことでしょう。
カフェインの取りすぎに気を付ける
カフェインが体に合わない人もいるはず。そんな体質の人が紅茶や緑茶を飲み過ぎると、お腹を下したり頭痛といった良くない症状が出てしまうこともあります。
コーヒーと比較すると紅茶や緑茶に含まれるカフェインの量はあまり多くはありませんが、過敏に反応してしまう人だとそれでも辛いでしょう。
「インフルエンザウイルス対策に良いから」、「飲むと良いって聞いたから」なんて飲み過ぎると、思わぬ副作用が出る場合もあるので気を付けてください。
紅茶のポリフェノールがウイルスの感染力を低下
ウイルスの表面のスパイクに付着して感染力を抑える
歯周病原菌を抑制して感染リスクを下げる作用がある
抗炎症効果もあり喉の痛みを緩和してくれる
紅茶うがいをする事で感染率を下げられる
緑茶に含まれたカテキンがウイルスを抑制
ストリクチニンにより感染を抑えられる
テアニンが免疫力アップのサポートをしてくれる
ウイルスが増殖時に必要なタンパク質を抑制する
ご飯と一緒に摂取するとカテキン濃度が上がりやすい
1日に2~3杯くらいを回数を分けて飲むと良い
ミルクティーは効果が得られない報告が多い
カフェインの取りすぎや飲むタイミングに注意
紅茶や緑茶にはインフルエンザウイルス対策に良いとされる成分が含まれています。適度に飲んだりうがいをして感染リスクを下げましょう。
しかし「紅茶や緑茶を飲んでいれば絶対にインフルエンザに感染しない」ということはありませんので注意してください。
マスクをつける、うがいや手洗いをしっかり行う。そして必要であればインフルエンザワクチンを打つことも大事な対策です。
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