ノロウイルスの季節がやってきましたが、症状や対処法を知っていますか?
食欲の秋、それからいよいよ季節は冬に向かっていきますね。この季節に怖いのが、実は食中毒なんです。
夏はものが腐りやすいと思っているから注意するけど、どうして冬に?暑くないから大丈夫じゃないの?
いえいえ。冬は、「ノロウイルス」という厄介なウイルスが暴れまわる季節なのです。このノロウイルスは、体の中にはいるととてもつらい症状を起こします。
大人でもキツいので具体的に見ていくことにしましょう!
大人にも厄介なノロウイルスその症状と対処法
ノロウイルスの侵入経路
元々、ノロウィルスは食中毒の一種です。
ウィルスを持ったカキやあさり等の2枚貝を加熱が不十分な状態で食べた時に感染することから始まります。
そして、感染した人が十分な手洗いをせずに作った食べ物や、感染した人の便や嘔吐物、唾液などに含まれるウィルスが口から体内に入ることで感染が広がります。
ノロウィルスは、とても強い感染力を持っています。
たった数十個から百個程度のごく少ない数のウィルスが、体に入っただけでも発症してしまいます。他の多くの食中毒が細菌数10万~100万個で発症することからみると、どれだけ感染力が
強いのかがわかりますね。
小さな子供の場合、手やおもちゃなどをよく口に入れますので、感染が広がりやすいんですね。
症状と潜伏期間、経過は?
潜伏期間は、24時間~48時間が一般的ですが、早いと10時間ほどで発症する場合もあります。
主な症状は、嘔吐・下痢・腹痛。熱は37℃~38℃の微熱程度。
突然、激しい嘔吐が始まるととても驚いてしまいますが、子供の場合は、激しい嘔吐が多い傾向にあり、他の症状は軽い、もしくは出ないこともあります。
よく白い便が出たらロタウィルスと言われますが、ノロウィルスでも便が白くなることがありますので便の色では判断することが出来ません。
これは、ウィルスにより肝臓の機能が低下してしまい、胆汁が分泌されなくなることで、白い便が出るようになる為、ロタウィルス特有のものという訳ではないのですね。
特効薬はありませんが、通常は、1~2日で症状が治まってきます。
怖いのは、患者さんが増えていくこと
感染した患者さんはたくさん吐いたり、下痢をしたりします。
その中にはとてもたくさんのウイルスがいて、それらが感染源になります。
施設などでノロウイルスが発生したら、汚物の処理に注意しないと大流行をまねきかねませんし、毎年のようにそういった大流行がニュースになっています。
具合のわるいことに、そうした施設というのは老人ホームだったり病院だったり、病気とたたかう力が弱い人が集まっている場所であることがしばしばなのです。
そうすると、飲み込みに問題のあるお年寄りでは、嘔吐したはずみに誤嚥性肺炎(吐いたものが気管に入って、それが肺炎を起こしてしまうものです)という病気も一緒におこして、なくなってしまうこともあります。
もちろん、幼稚園や保育所、学校などでも大流行することもあります。
みなさん自身も、そしてお子さんや家族の方にも、手洗いうがいを徹底していただくことが非常に大事になってきます。
ノロウイルス胃腸炎にかかってしまったら…
家族から感染者を隔離
看病する人をできるだけ一人にすることで、感染が広がる機会を抑えることができます。
子供が感染しお母さんが看病する場合、お父さんやおじいちゃん、おばあちゃんには、看病以外の家事や他の兄弟のお世話などをお願いするといいかもしれませんね。
脱水症状に気を付けて対症療法で耐え忍ぶのみ
インフルエンザのように特効薬があればいいのですが、残念ながらノロウイルスの胃腸炎に特効薬はありません。
対症療法をしながら、体がノロウイルスと戦い、勝利するのを待つしかありません。
その間にはたくさん吐いたり下痢をしたりしますから、体から水分が失われていきます。水分はしっかりととってください。
しかし、失われるのは水分だけではありません。
下痢や嘔吐により、体からは電解質が多く失われていきます。ポカリスエットやOS-1のような電解質溶液を飲むのがいいでしょう。
もし元気がなくて飲めないなら我慢せず病院にいってください。
点滴をすることで、失った電解質や水分を補うことができます。
また、病気と戦うのに栄養失調ではいけませんから、おかゆでもくだものでも、なにかしら食べられるものを食べるようにしましょう。
吐き気、下痢をなんとかしてよ!
いくら吐き気や下痢が激しいからといって、それを止めようと下痢止めや吐き気止めを使うと、体の中の毒素の排出を送らせてしまい逆効果になりますから、たとえ家にそういったものがあっても絶対に自己判断では使わないようにしてください。
つらいかもしれませんが、耐えるしかありません!
二次感染を防ごう
感染した人だけでなく、その周りにも気を使わなくてはなりません。排泄物や吐瀉物などを撒き散らさないように気をつけてください。
処理するときはビニールの手袋やエプロン、マスクをしてしっかり感染を防ぎます(病院などで標準防護策と言われる対策ですね)。
そして、手洗いうがいを徹底します。
しかし実は、ウイルスを生き残らせてしまっている可能性がある調理環境も問題です。ノロウイルスは、加熱で死滅させることができます。
必要な加熱量は、食品の中心部分を85~90度で90秒以上、と言われています。
この加熱が不十分だったためにノロウイルスが残存していたとすれば、調理の際にもっとしっかり食品に熱を通す必要があるということです。
さらに、汚染されていたと思われる調理器具は、消毒せねばなりません。
消毒液(次亜塩素酸ナトリウム)で浸すように拭きましょう。ご家庭の塩素系の漂白剤でもかわりができます。
なお、アルコールは効果がありませんから、気をつけてください!
また、食器やタオル、ふきん、包丁などは、熱湯(85℃以上)で1分以上茹でると、ウイルスを死滅させられます。
面倒に感じると思いまますが、ノロウイルスをもらったときの苦しみに比べたら、そしてその苦しみを何人もが味わうというリスクを考えたら、絶対にしておく方がよいでしょう。
冬に流行する
口から入って胃腸に入り、胃腸炎を起こす
特効薬はない
水分補給、栄養補給が大事
吐き気止め、下痢止めは使わない
感染が広がるのを防ぐ
厄介なノロウイルス。
実は最近、新型のものが登場しているようです。
新型ノロウイルスは、いままでにかかったことのある人がいなかったため、免疫のある人がおらず、感染が広がりがちだと言われています。
この記事を参考にして、もらわないように、そしてもらってしまってもなんとか早く治るように、そして広がらない対策をとるようにしましょう!
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