ついに日本でも、ブラジルから帰国した高校生の感染報道があったジカ熱…どんな症状がでるのか、どんなふうに感染するのか、見たことも聞いたこともないような感染症です。
インフルエンザとかノロウイルス胃腸炎などであれば想像がつきますが、こんな聞きなれない病気に知らない間にかかってしまっていて、手遅れになってしまっては大変です。
おまけに、妊婦さんに感染したらお腹の赤ちゃんにも影響すると言われています。こんな怖いジカ熱について、詳しく見ていきましょう。
ジカ熱の症状とは?感染拡大でリオ五輪開催にも影響が!?
ジカウイルス感染症とはどんな感染症か?
一口にジカウイルス感染といっても、二種類があります。一つはジカウイルス病、もう一つは先天性ジカウイルス感染症です。
この二種類は、風邪のように(というと語弊があるかもしれませんが、生活の中でウイルスをもらう、という意味です)普通に感染するものがあります。
それと、かの有名な風疹のように、お母さんのお腹の中でお母さんからウイルスをもらってしまうか(これを、「垂直感染」と呼びます。あとで出てきますから、よく覚えておいてくださいね!)というところで違いがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
ジカウイルス病とは
ウイルスは、ウイルスを持った蚊に噛まれてしまうことで体の中に入ってきます。主な症状は、軽い発熱や発疹、結膜炎(目が赤くなります)、筋肉痛、関節痛、なんとなくだるい感じがする、頭が痛いなどです。
しかも症状は結構軽くて、かかっても気づかないか、2日から1週間程度で治ってしまいます。これだけを見れば大して怖い病気ではないように思えますよね。
ところが、本当に怖いのは、妊婦さんが感染したときなのです。
先天性ジカウイルス感染症とは?
ジカウイルスを貰った妊婦のお母さんから、その赤ちゃんにウイルスが垂直感染を起こすことがあります。これによって、「小頭症」など先天性の障害を、赤ちゃんに起こす可能性があるとされているのです。
小頭症がジカウイルスによってどんなふうに引き起こされるのは不明ですが、疫学的に関係性は明らかになっており、流行している国の一部では子供を産まないようにという警告を出しているところもあるくらいです。
小頭症ってそんなに怖いの?
頭が小さくなるんでしょ?小顔になるならいいんじゃないの?と思う人もいると思います。いいえ、小頭症は、ただたんに頭が小さくなるだけではありません。
脳の器である頭蓋骨は、何枚かの骨でできています。赤ちゃんの脳が育つのを邪魔しないように、十分な大きさになるまでそうした骨はかっちりとハマらないようになっているのですが、小頭症というのは頭蓋骨が「脳が十分に育つ前にとじてしまう」病気なのです。
つまり、知能の発達が遅れることを始め子供さんにはさまざまな障害を残してしまいます。
感染経路は?
子供に残る後遺症のことを考えると、だんだんとジカウイルス感染症の怖さがおわかりになってきたかと思います。
では、予防や治療について見ていきましょう。このウイルスは、蚊によって媒介されます。それも、特殊な蚊ではなく、日本にも普通にいるような蚊です(一例としては、ヒトスジシマカ。これは日本で広範囲に見られる蚊です)。
この時代ですので、ウイルスを持った蚊や人が何に紛れて運ばれてくるかわかりませんから、暖かくなってくる頃から注意が必要ですね。
治療法やワクチンは?予防はできないの?
予防についてですが、残念ながらワクチンはありません。治療も、特効薬はなく、対症療法しかありません…といっても、症状自体が軽いので、これは問題にはならないかもしれませんが。
そうなると、予防すべきは何をおいても妊婦さんということになります。なんとしても妊婦さんが蚊に刺されないように気をくばることが重要です。
キャンプ場や自然の多い場所など、蚊に刺されるリスクの高いところにはいかない(もちろん海外渡航も同様です)
そしてどうしてもいかなければならないなら露出のなるべく少ない格好で、虫除けスプレーを使いながら(汗や水蒸気で蒸発し、効果が弱くなってきますから、適宜補いながら!)できるだけ短期間の外出ですませることをかんがえなければなりません。
なお、性行為による感染も疑われています。男性も油断せず、ウイルスをもらわないように注意すべきです。
ジカウイルス感染には二種類ある
ジカウイルスを貰ってしまって起こる感染症
感染した妊婦のお母さんからお腹の中の赤ちゃんへの垂直感染
小頭症が発症する例が報告されている
デング熱のように蚊によって媒介
症状が軽めなので軽視せず蚊に刺されないように予防する事
熱帯地方での遠い話のように思われるかもしれませんが、これはかなり身近な話です。
アジアにも感染例があり(一例:中国)、もっと言えば日本でも感染例があるくらいです。そして、海外で「子供を産むな」という、ちょっと考えたくらいだと非常識なステートメントが出ることも、この病気が胎児に及ぼす影響 尋常でないことを物語っています。
小頭症で、障害がでたお子さんを育てることは想像以上に大変ですし、それを支える国の負担もバカにならないから、そういう呼びかけをせざるをえなかったわけです。こんな恐ろしいジカ熱ですが、メディアではまだまだ啓蒙されていないのが現状です。
また、最近ではジカ熱が流行している地域で、ギラン・バレー症候群も増加しており、関連性が疑われつつあります。ぜひその恐ろしさと予防の方法を知ってください。
あなたにオススメの関連記事
[like]