香ばしく甘い香りで目覚め、一口飲めば苦味と香りが一杯に広がる。爽やかな一日のスターター。
でもそんなコーヒー、飲み過ぎは禁物なんです。今回はコーヒーの飲み過ぎが招く悪影響についてお話しします。
飲み過ぎによる悪影響や症状
コーヒーは合法ドラッグ
たかがコーヒーと思っているかもしれませんが、「カフェイン」という物質が含まれています。
一度にたくさんの量を飲むと急性中毒の症状がでますし、ずっと飲み続けると慢性的に依存や耐性を生じます。ここでお気づきの方もいると思いますが覚せい剤や麻薬で似たような話をよく聞きますよね。
カフェインは「ドラッグ」として意識していいくらいの強力な作用を持った物質で、「エスタロンモカ」などの商品名で、眠気覚ましとしても販売されるくらいなのです。
なので、カフェインの摂りすぎはやはり様々な不調を招く恐れがあるんですね。
急性中毒の怖さ
あまりたくさんカフェインをとりすぎるとどうなるか、という話。
さっきより怖い話をすると、精神科でつかう専門的な診断基準の本「DSM5」というのがあります。この中に、「カフェイン中毒」という項目があるのです。
精神科の分野では精神障害としてまで捉えられてしまう、それくらい大変なものだということを今一度意識していただきたいと思います。
急性中毒の症状
心にも体にも症状が出てきます。眠れないのは当たり前。寝付けない、寝てもすぐおきる、浅い睡眠になってしまいます。
なんだかそわそわしておちつかず、いつもよりペラペラと話す。何に対してかわからない焦りが治まらない。周りのことがやけに気にかかり、いろいろなことにイライラする。
もっと重症になると、精神病のような錯乱状態に陥ることもあります。
体でいえば、胃の痛みや吐き気、胸のむかむかした感じ。心臓がどきどきしてとまらない、息が荒くなる。足がむずむずしていてもたってもいられない。すぐにおしっこにいきたくなる。頭が痛くなる。めまいがする。血圧が高くなる。
こうしたとてもつらい症状が出てきます。
急性中毒を起こしてしまう量
では具体的に、どれくらいの量でこんなことになってしまうんでしょう。
大人なら、1時間で体重1kgあたり6.5 mg以上のカフェイン、つまり体重50kgの人なら325mgをとると、半分の人にこうした症状が現れると言われています。
一般的なコーヒーで言えば4杯弱といったところで、現実的に飲めてしまう量だというのが恐ろしいところです。
慢性的な影響
毎日コーヒーを飲み続けていると、精神依存、身体依存を生じるのは先程も書いた通りです。
そのあとが大変で、今度はやめようと思っても離脱症状に苦しむことになります。頭痛やイライラなど、先ほどの急性中毒に似たような症状が、だいたい中断して2日めくらいからでてきます。
そして、実は痛風になりやすくなるって知ってましたか?
カフェインは、体内で代謝されて、最終的に尿酸になって排出されます。ですから、コーヒーを飲み過ぎると血中の尿酸が上がってくるんです。実際、女性が痛風を発症する原因で多いのが喫煙とコーヒーと言われているくらいです。
また女性に嬉しくないのが、コーヒーは脱水を招くということ。体内の水分の排出を促進しますから、もちろん皮膚の水分も少なくなり、お肌のはりが失われてしまいます。
コーヒーを飲むべきでない人
精神に強く作用するコーヒー。飲まないほうがいい人がいます。
それは、一つはうつなどの精神疾患をお持ちの方。飲み過ぎの悪影響がもっともっと強くでます。もともとの精神疾患の悪化を招くという報告は様々なところで聞かれます。
次に、妊婦さんです。カフェインは胎盤を通ってしまいます。そして、お母さんには少しの量でも、胎児には多すぎる量のカフェインになってしまうことがありますので避けた方がいいでしょう。
また、カフェインは利尿作用があるとともにカルシウムの排出を促進するので、骨がもろくなってしまう可能性もあります。
カフェインをとりすぎないために
コーヒーの一日の適量は?
では、どれくらいのコーヒーなら大丈夫なのでしょうか。
アメリカの食品医薬品局の意見では、一日大体400mg程度のカフェインなら摂取してよいということです。これをコーヒーに換算すると、大体4杯くらい。
でも、緑茶なんかでカフェインをとる機会はコーヒー以外にもあるでしょうから、3杯くらいと思っておくのがいいでしょう。
もっと飲みたい人にはデカフェ!
でもコーヒーの味が忘れられないあなた。
なにも、コーヒーを飲むなと言っているわけではないんです。カフェインをとりすぎるのがよくない、という話ですから、ノンカフェインのものなら飲んでも大丈夫。
最近は、デカフェなる商品が登場しています。カフェインが本来入っている商品から、カフェインを抜いたものです。これが、なかなかおいしいんですよ!是非一度ためしてみてください!
コーヒーは合法ドラッグ
急性中毒の怖さ
急性中毒の症状がある
急性中毒を起こしてしまう量に注意
慢性的な影響がでる
うつ、妊婦さんは飲み過ぎの影響が強く出る
いかがでしたか?コーヒーは身近すぎるので、往々にしてその強い作用は忘れられがちです。
目覚ましになったり気分転換になったり、便利なものだからこそ恐ろしさも知って、うまく活用してくださいね!
ではこのあたりで私も、デカフェでコーヒーブレイクにします。
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