傾聴力とは、相手の話しを熱心に聴いている、という態度を相手へ伝える行為です。カウンセラーがよく使う心理療法の1つでもあります。
「私はあなたの話しをしっかり聴いています」と全面に出す事で、相手は安心し、あなたへの警戒心を解きます。
職場での人間関係に悩むあなたも傾聴力をマスターすれば、同僚や上司、部下といった周りの人達の信頼を得る事が出来ますよ。
傾聴力を高める9つの方法で職場の人間関係を良好に!
相手9:自分1の会話量
傾聴力とは単語のまま、話す割合が自分よりも相手の方が多い事が一番の重要ポイントです。
相手が満足するまで話しを聴く事こそ、傾聴の基本なのです。
普段はお互い同じ分量を話す間柄であったとしても、この時ばかりは、あなたは聴き役に徹します。
もうこれ以上は話す事がないという所まで、思いの丈を吐きだしてもらいましょう。
相手が「話せる事はもう話した」と満足すれば、傾聴が上手く出来たという事です。
顔と体を相手へ向ける
こちらが相手の話しを聴く態度である事を示す為に、態度で表しましょう。
一番それが伝わりやすい体勢をご紹介します。例えば相手と横一列に並んでいる場合です。立っている時でも座っている時でも同じですが、顔と体を相手の方へ向けます。
次に相手と机を挟んで、対面に座っている場合です。
椅子に深く腰かけ足を投げ出していると、態度も悪く見えてしまいます。椅子に浅く腰かけ膝や机に手を置き、少し相手側へ身を乗り出しましょう。
対面で立っている場合は、相手へ近づきすぎてパーソナルスペースに入り過ぎないようにします。およそ45~120㎝内ですと、お互いに緊張せずに話せます。手は前で軽く組み、足は肩幅に開いて立ちます。
壁等に寄りかかってだらしなく立っていると「聴く気がない」態度になってしまいます。
視線を合わせる
会話をする上で視線はとても大切です。時々相手とアイコンタクトを取って、相手を安心させましょう。
目を合わせるタイミングですが、相手がこちらを見ていない時は、視線の位置を相手の顔の横にずらしておきます。
そうすると相手と目が合っていないくても、貴方がちゃんと顔を見て話しを聴いている事が相手へ伝わります。もしも相手がこちらを見てきたら、その時にゆっくりと相手と目線を合わせましょう。
目を見るよりも、目と目の間を1~2秒見つめます。そのまま上へずらせば、相手も自然と目線を外せます。
目線を下や横に向ける事は、拒否の意味となります。必ず上にそっとずらしましょう。
話しを遮らず、否定しない
相手が気分に乗って話しをしている間、こちらからそれを遮ってはいけません。
話す内容によってはどうしても言い返したい気持ちだったり、否定の意見もあるでしょう。
しかしそこで遮ってしまうと、相手は途端に話しをする気持ちが萎え、貴方に不快感を持ってしまいます。
相手から途中で話しを切って、「こういう所はどう思う?」と質問をしてきた際は、それには答えて大丈夫です。
しかしその場合も相手の言った言葉を否定せず、なるべく肯定の意を示します。
沈黙しても気にしない
話しを聴いている最中に、何度か沈黙が生まれるかもしれません。気にせずにそのまま待ちましょう。
沈黙をしているのは、相手が次に何をどう話そうかと考えている証拠なのです。
それを邪魔する事なく、「それで、続きは?」と話しの続きを催促せず、ひたすら待ちの体勢でいます。
沈黙をしている間はため息をついたり、咳払いをしたり、大きな物音を立てないように気を付けましょう。
「早く続きを話さないかな」といったネガティブな態度でいると、それが相手にも雰囲気として伝わってしまいます。
頷きながら相づちする
「そうなんだ」「そっか~」といった、相手の話しの途中で相づちを打つ事はとても大切です。
その時に、軽くうんうん、と頷きながらですと更に傾聴力が高くなります。しかしあまり過剰にならないように注意しましょう。
例えばAさんから仕事の悩みを相談されたとします。
A「~~が~~で」
あなた「そうなんだね」頷き1回
A「~~が嫌で、~~~が」
あなた「そうだよね、それは良くないね」
A「~~は、~~で」
あなた「そうそう、そうだね」頷き2回
というように、頷く回数は相づちと調節しつつ、相手に違和感を抱かせない程度にしましょう。
最初は難しいかもしれません。慣れると自然に出来るようになりますよ。
相手の言葉を反復
通称、オウム返しです。相手の話した言葉をそのまま反復する事で、「自分の意見を肯定してくれた」と好感を持ちます。
しかしそっくりそのまま返してしまう事、1度の会話の中で何度も使う事はいけません。
例を挙げるならばこんな感じでしょう。
A「部長が凄く厳しくて、私の意見を無視するの」
あなた「部長がAさんに厳しくて意見を無視するのか。それは嫌だね」
A「Bさんの態度に悩んでいて。嫌われてるのかな」
あなた「Bさんの態度に悩んでいるのね、それは辛いよね」
このように、若干言葉を変えつつも内容は変えず、さりげなく肯定の意見も取り入れるようにします。
ペーシングする
ペーシングの基本は話し方(マッチング)、動作(ミラーリング)、雰囲気(チューニング)です。
テンション高く話すAさんとの会話で、聴く側のあなたがテンションが低いと、相手は感情のズレから話す気がなくなってしまいます。相手に同調する事で、より傾聴力を高められるのです。
マッチングは声の速度、高い・低いが重要になります。
ちょっと早口に話す人とは同じ位の早口で、ゆっくり話す人とはゆっくりめの速度で話しましょう。その時声の高さ、低さにも注目して、なるべく合わせます。
ミラーリングは鏡のように相手と同じ動作を取る事です。
相手が自分の髪を触ればこちらもさりげなく、同じように自分の髪を触ります。こうした動作は相手へ「この人は味方・仲間」だと無意識に思わせる事が出来ます。
チューニングは雰囲気、考え方、気持ちを相手と合わせる事です。
相手が怒って愚痴を話していればこちらも怒ったように、悲しんでいるなら同じように悲しみます。ペーシングは過剰に行うと相手に不信感を抱かせます。冷静な部分を持ちつつ、自然に行いましょう。
先入観を持たない
どんな内容の話しであっても、先入観を持って聴かないようにしましょう。
相手がBさんの愚痴を言ったとしても、「でもBさんはこれこれ、こう思ってそういう事をしたんだろうな」といった事は、考えないようにします。
先入観があると、どうしても声のトーンや態度に出てしまう為です。
感情に敏感な人ならば、しっかりとこちらの話しを聴いてくれていないと感じてしまいます。話しを聴く場合はニュートラルな思考でいましょう。
相手9:自分1の会話量
顔と体を相手へ向ける
時々視線を合わせる
話しを遮らず、否定しない
沈黙しても気にしない
頷きながら相づちする
相手の言葉を反復
ペーシングする
先入観を持たない
傾聴力というと何だか難しそうに思えますが、しかし1つ1つの方法は誰でもすぐ、簡単に出来るのです。
あなたも今日からは傾聴力を高めて、上司や同僚、取引先の方の話しを聴く力を身に着けましょう。
傾聴力が高い人程、仕事でも多くの功績を残せます。さあ今日からスタートです!
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