今、じわじわと増えつつある燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)。その症状に悩んでいるあなたへ、おすすめの克服方法をご紹介します。
「前はやる気に満ちていたのに、最近なぜか何もする気が起きない…」そんな感情に苛まれた経験はありませんか?
燃え尽き症候群とはどのような症状なのか、その原因を知ることで、あなたもそれを克服できるはずです。
燃え尽き症候群とは?
「毎日無理して残業したのに仕事の頑張りを認めてもらえなかった」、「あんなに努力したのに上手くいかない」と落ち込んだ経験はないでしょうか。
頑張りが報われない事で徒労感・欲求不満の気持ちがストレスとなり、そのストレスが生きる意欲を失くしてしまう事から、一種の心因性うつ病とも呼ばれています。
燃え尽き症候群の原因と症状
野心が強すぎて無理をしがちな熱狂タイプ
誰だって一度は「周囲より優秀でありたい」、「仕事で成果を残して皆に認められたい」と野心を抱くでしょう。その野心が強すぎる事が原因となり燃え尽きてしまうのです。
野心家な人は自分が理想とする姿を極限まで追い求めようとするあまりに、肉体的・精神的な疲労さえも見ないフリをしてしまいます。
そうやって無理に無理を重ねて熱狂するせいで、知らず知らずのうちに多大なストレスを溜めこんでいきます。
大抵の人はストレス緩和の為に折り合いをつけて「この辺りで手を抜こう」と誤魔化そうとしますが、野心家な人はそれを良しとしません。
「自分を甘やかすこと=周りを甘やかすことに繋がる」と思いがちで、ますますストレスを溜め、それが燃え尽き症候群の原因となっているのです。
こういったタイプの人は、ちょっとでも自分の立場が揺らぎそうになると途端に周りを敵だと思い込み、不満を漏らすという傾向があります。
疑心暗鬼になってしまうせいで少しずつ無理をした精神にヒビが入り、ある日一気にダムが決壊してやる気を失ってしまいます。
人一倍飽きっぽく刺激を求める挑戦不足タイプ
よく言えば好奇心旺盛、悪く言いかえれば人一倍飽きっぽい性質を持っており、それが度々燃え尽き症候群の原因となる場合があります。
このタイプの人は「単調な作業・毎日同じ繰り返しの日々・刺激の少ない生活・結果の見えない事柄」を苦手としています。
ちょっとせっかちな部分と、何事にも見返りを求めるという性質も持っていますから、自分が興味を持てない仕事や生活を遠ざけようとするのです。
自分がやりたくない仕事であっても多くの人は生活の為に我慢しますし、かわり映えのない毎日でもその中で楽しみを見つけるでしょう。
しかし挑戦不足タイプの人は、「興味がない・刺激がない=ストレス」なので、やりたくない仕事や見返りのないことに無関心になってしまい、これが燃え尽きの原因となります。
挑戦不足タイプの人が燃え尽き症候群となる場合、「自分がこんなことしてもしょうがない」とやりたくない仕事などを周りに押し付けようとします。
興味が無いから自分がやる意味がない、やる気もないのでそれなら自分はそんな事はしたくないと思ってしまうのです。
現実逃避が癖になっている疲れ果てタイプ
疲れ果てタイプの人は、現実逃避癖があります。「自分はこの困難に打ち勝てない」と負けを認めた事でやる気をなくし、それが燃え尽き症候群の原因になるのです。
現実と自分のスキルのギャップに気づいてしまっているせいで、「こんな自分には大役すぎる」とモチベーションを失ってしまうのでしょう。
疲れ果てタイプの人は、とにかく「自分にはこんな仕事できる訳がない」、「絶対に失敗してしまう」とそれを行う前から諦める癖がついています。
そうやって無理難題から目を背ける事が、自分のプライドや立場を守る事に繋がるのだと解っているからです。
疲れ果てタイプの人が燃え尽き症候群となった場合には、とにかく弱音や言い訳、泣き言ばかりを吐いて自分磨きをしようとはしません。
「今目の前に迫っている困難」からとにかく遠ざかりたい、安全地帯から出たくないと思って、内へ内へと引きこもってしまいます。
高い理想についていけない不完全燃焼タイプ
不完全燃焼タイプの人は、疲れ果てタイプとは違って「理想の自分」にばかり夢中になるあまり、「現実の自分」のスキルや理想と現実の差に気づけない事が燃え尽きの原因です。
あまりに高い理想を持っていますが、現実の自分のスキルでは到底手の届かない理想論のせいで、途中で挫折してしまい不完全燃焼に終わってしまうのです。
このタイプの場合、「自分より下の立場の人を見つけてはやる気を出す→その合間に自分より上の立場の人を見つけては燃え尽きる」を繰り返してしまいます。
無意識に自分と周りとを比べているせいで燃え尽き症候群に陥る回数が多く、その度にますます劣等感が強くなっていくのでしょう。
不完全燃焼タイプの人が燃え尽き症候群となった場合には、とにかく周りへ愚痴や言い訳をまき散らす傾向があります。
「今度こそ絶対自分が勝つ」と虚勢を張りますが、今いち自分のどこが周りと劣っているのか理解していないので、口先だけで行動に移そうとはしません。
ガラスのハートが粉々になった自信喪失タイプ
自信喪失タイプの人は感受性が強く、常に周りの事を考えて行動するといったとても心優しい性質を持っていますが、これが仇となって燃え尽きてしまう事があります。
このタイプの人は自分よりも他人を優先しがちです。それは人から嫌われる事を最も恐れているからでしょう。皆の輪の中から外れる事を極端に嫌がります。
そうやって皆の意見に合わせ常に皆に尽くしていますが、誰かから裏切られたり、失敗したり、与えた好意が自分へ返ってこない事に自信を失ってしまいます。
「自分はこうしてあげたんだから、相手にも同じくらい返してほしかったのに」という、周りへの過度な期待が燃え尽きの原因にもなっているのでしょう。
ガラスのハートが粉々になってしまった自信喪失タイプの人は、燃え尽き症候群になると途端に周りの人への対応について悩むようになります。
「期待して裏切られて傷つくのはもう嫌だ」と思ってしまうので、自分の殻に籠って周囲と関係を断絶しようとするのです。
燃え尽き症候群の克服する5つのポイント
「頑張らない」を合言葉にする
自分の限界値を無視して、極限まで自分を追いつめてしまうせいで、燃え尽き症候群になった人、もしくはそうなりそうな人は、「頑張らない」ようにしてください。
肩の力を抜いて、「自分だけが頑張らなくても別にいい。頑張りすぎると疲れてしまうから時々手を休めよう」とちょっとだけサボり癖を身につけましょう。
周りに「限界だ」と助けを求める
自分の中で「誰かに助けてほしい」と思っていても、周りはなかなかあなたのSOSに気づけません。助けてほしいなら声や態度に出さなければいけないのです。
1人きりで解決する癖はもう止めて、仕事量が多くてとても1人では出来ないなら周りと相談して振り分けるなどしましょう。
「自分はダメだ」と自己否定しない
燃え尽き症候群になると「自分は周りに比べとても劣っている」、「もう何をやっても上手くいく自信がない」なんて、自分を卑下してしまう事があります。
しかしそんな感情ばかり抱えていても何も変わりません。自己否定がますます燃え尽きを酷くしてしまいます。自己否定ではなく、自己肯定感を持ってください。
自分にも周りにも期待をしない
過度に自分や周りへ期待してしまうから、自分の理想通りに事が運ばなかった時に、燃え尽き症候群となってしまうのです。
これからは、自分にも周りにも良い意味で期待をしないこと。「自分は自分・他人は他人、なるようになるだろう」とフラットな気持ちで過ごしてください。
他人に尽くさず自分に尽くす
他人にばかり尽くしていて、それがいつか自分に返ってくると思っていたが、そうでなかった場合に強い喪失感を覚えてしまいます。
他人に尽くしても、その気持ちが報われないせいで燃え尽き症候群になったあなたは、これからは他人本位ではなく「自分本位」でちょっとワガママに生きてください。
無理しがちで野心の強い熱狂タイプ
刺激を求めつつ飽きやすい挑戦不足タイプ
現実逃避が染みついた疲れ果てタイプ
理想が高すぎていつも不完全燃焼タイプ
粉々に砕けたハートの自信喪失タイプ
頑張らずに助けを周りに求める
他人を比べず自己否定をしない
他人や自分に期待しすぎない
ワガママに自分に尽くしてみる
燃え尽き症候群に陥りやすい人は、野心家であったりプライドや理想が高すぎたり、人に対して優しすぎるなど様々です。
共通しているのは「自分の気持ちを抑えて無理を続けてしまう」という性質を持っている事。自分自身が発しているSOSを無視してはいけません。
無理をしない、頑張らない、ワガママになってみるという克服方法で、燃え尽き症候群による喪失感を埋めてください。
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